先進諸国と比べると、日本のパワハラ対策は遅れています。

我が国では何十年も「指導」という言葉で片づけられてきた悪質な行為が、ようやく「パワハラ」として認知され始めた段階です。
しかし他国では、日本で「パワハラ」として扱われている行為をハッキリと「犯罪」に区分している国も多いのです。

非常に残念なことですが、日本社会はまだまだパワハラを軽視しています。
犯罪者として刑務所に送られてもおかしくない行為を働いたとしても、停職や減給といった軽い措置で済まされるケースが少なくないのです。

事実、2011年には熊本市役所で非常に悪質なパワハラが発生していたものの、加害者が停職6ヶ月で済まされたケースがありました。

熊本市役所の男性係長と男性技術参事が、新人職員を毎日職場で正座させ続けたり、100万円以上の金銭をむしりとったりという酷い事件でした。
これほど酷いパワハラだったにもかかわらず、加害者たちは「指導のつもりだった」と反省する様子もないどころか、たった半年の停職で済んでしまいました。

この裁定にはさすがに全国から1000件を超えるクレームが入ったといいますが、熊本市役所はこれ以上特に対応をしませんでした。
熊本県の代表ともいえる熊本市役所でさえ、パワハラをこんなにも軽く扱っているのです。

このことから分かるのは、被害者が自ら戦わなければパワハラは解決できないということです。
きっと被害を受けた新人職員は、いつか誰かが解決してくれるだろうと考えて我慢していたのでしょう。

しかし、解決に乗り出すはずの熊本市役所は、被害者の味方というよりも「問題の火消し」に奔走しただけでした。

このような事態がアナタの身に降りかかってもおかしくありません。
そこで今回は、熊本県でパワハラに悩んだとき、被害者が行うべき3つのことをご紹介します。

パワハラは黙っていても解決しません。
アナタも勇気を出して、自ら解決に乗り出してください。

弁護士に協力してもらう

熊本市役所の一件を見てもわかるとおり、大きな組織はパワハラを揉み消そうとします。
加害者に対して形だけの罰を与え、「もうすでに解決したことだ」という態度で取り合わなくなってしまいます。
このような対応を取られてしまっては、個人で太刀打ちすることは難しくなっていくことでしょう。

パワハラをうやむやにされないためには、こちらにも強い味方をつける必要があります。
そう、パワハラ解決のスペシャリストである「弁護士」に相談することが有効なのです。

熊本市役所の件は、「被害者が処罰を望んでいない」という本当かどうかも分からない言い訳で事件が収束してしまいました。

もしも被害者が声を上げなければ、100万円以上の損害が出た悪質なパワハラでも黙殺されてしまうという証拠です。
被害者が弁護士を味方につけてさえいれば、もしかすると慰謝料として払った金額は返ってきていたかもしれません。

このような最悪の事態を避けるため、パワハラ被害を受けたらただちに弁護士を雇いましょう。
弁護士の力があれば、ひとりでは勝てないような相手とも対等に戦うことが可能になります。

公的な窓口を利用する

社内にパワハラ専門の相談窓口を設けている企業も増えてきていますが、残念ながらまともに機能している相談窓口はごく一部です。

形だけの相談窓口を置いている会社もありますし、相談しても何の意味もない、または事態を悪化させかねない相談窓口もあります。
パワハラの相談がしたいなら、専門の相談員が常駐している外部の相談窓口を利用するのが利口です。

厚生労働省が運営する公的な窓口「総合労働相談センター」などは、専門の相談員がいるのでオススメです。
電話一本で相談可能なので「おかしいな?」と思ったらすぐに相談できますし、料金も予約も不要なので大変便利です。

弁護士に相談するほどではありませんが、公的な窓口に相談するのもパワハラ解決への大きな一歩になるでしょう。

熊本県内には、7ヶ所の総合労働相談センターが設置されています。
女性相談員が常駐しているところもありますので、男性には話しづらい内容のパワハラを受けているという方は、女性相談員に代わってもらいましょう。

転職して体勢を立て直す

加害者には到底わからないことですが、パワハラを受けた被害者はかなり心を削られています。
心が疲弊しすぎていると、本来なら簡単にできるようなことでも難しくなってしまうことがあるので注意が必要です。

パワハラを受けて自殺する人が多いのは、心が耐えきれなくなって冷静な判断力を失ってしまっているからです。

訴えるにせよ、改善策を練るにせよ、パワハラと戦うためには冷静な判断力が必要になります。
パワハラによって冷静な判断力を失っている間はまともに動けませんので、いっそのこと転職してしまうのも悪くないと思います。

熊本県民は負けず嫌いで、「パワハラのせいで辞めたら負けだ!」なんて考えてしまう人も少なくありません。
しかし意地を張ってパワハラに耐え続けてもメリットが無いので、もっと柔軟に対応できるようになりましょう。

パワハラの加害者と徹底的に戦いたいなら、まずは体勢を整えることが大切です。
証拠を集め、転職してから弁護士を雇うのでも、加害者と戦うタイミングは決して遅くはありません。

パワハラに耐えかねて心が壊れた…なんてことになる前に、転職して本来のアナタを取り戻してください。

ちなみに、私はパソナキャリアで転職を成功させました。

パワハラ解決を会社に頼らない

本来であれば、組織は社員たちを守る存在であるべきです。
しかし熊本市役所の一件を見てもわかるとおり、社員を犠牲にしてでも生き残ろうとする組織や企業は珍しくもないのです。

パワハラを受けたとき、加害者よりもさらに上の立場の方に相談するのは社会人として正しい判断だといえます。
しかし相談した相手に「お前が我慢すれば済む話だ」「穏便に済ませてくれ」なんて言われたら、その時点で相手は敵だと考えられます。

相談したから解決するだろうなんて思わずに、アナタ自身が適切な解決策を模索する必要があるのです。

パワハラの正しい解決策を素人が見つけるのは困難です。
そこで今回ご紹介したように、弁護士や公的な機関に相談し、転職で体勢を整えてから戦うという工夫が必要になるわけです。

黙っていても会社は解決してくれません。
会社に頼らず、自分自身の足で一歩踏み出してみませんか?