パワハラは本当に嫌なものですね。
立場の弱いあなたのような部下を徹底的に痛めつけ、本人はストレス解消とばかりに、のうのうとしています。
こんなにも被害者の心と身体を痛めつけるパワハラは卑劣な行為です。

法的に裁くことは果たして可能なのでしょうか?

パワハラは元々「パワーハラスメント」という言葉から来ています。
パワー=権力 ハラスメント=嫌がらせ、不愉快な行為
ですから直訳すると「権力を用いた嫌がらせ」の事です。

パワハラは大体上司など自分より立場が上の人から受ける嫌がらせですね。
つまり「弱い者いじめ」に他なりません。

加害者に何かしらの制裁があってもおかしくないのです。
残念ながら現在の所パワハラそのものを取り締まる法律はありませんが、あきらめてはいけません。

パワハラの内容によっては法律違反として立証できる場合もあります。
ではパワハラのどのような点が法律に触れるのかみてみましょう。

名誉棄損

刑法 第230条(刑事名誉棄損の場合)
「お前なんかクズだ」「仕事できない奴はやめちまえ」などの人格を否定するような暴言の数々…。
周りで聞いているだけでも不愉快きわまりません。

ましてや言われた方は本当に苦しく、自尊心が著しく傷つけられます。
結果、仕事のパフォーマンスも落ち、社会的評価を下げてしまう。
これは確実に名誉棄損です。

刑法では「故意に」名誉棄損を行った場合のみ処罰の対象となります。
具体的には3年以下の懲役もしくは50万円以下の罰金です。

他に民事名誉棄損というものもあります。
こちらは「過失であっても不法行為として成立」します。

その他言葉によるパワハラには「侮辱罪」(バカ、アホなどの悪口や差別的な言葉で相手を貶める)「脅迫罪」(「このぐらいの事で仕事を休むなんて怠慢だ。クビにしてやる」等、相手を脅すような言動)などがあります。

傷害罪(刑法第204条)・暴行罪(同・第208条)

パワハラは暴言にとどまりません。
時には暴力という形で行われる場合もあります。
殴る、蹴るなどの被害に遭っている場合、加害者に傷害罪、暴行罪が適用される可能性があります。

傷害罪は加害者のパワハラ(暴力など)により被害者が体に外傷を負ったり、うつ病などの精神疾患になった場合に適用されます。
パワハラが原因でケガや病気になったと明記されている医師の診断書が必要です。
傷害罪が認められると加害者には15年以下の懲役または50万円以下の罰金が課せられます。

暴行罪は加害者が暴力をふるった場合に適用される可能性があります。
こちらは暴力は受けたが、実際に被害者はけがは負っていない点が傷害罪と異なります。
したがって診断書の提出は必要ありません。
暴行罪が認められると加害者には2年以下の懲役または30万円以下の罰金が課せられます。

民事訴訟が起こせるケース

上記1.2ではパワハラ行為が刑法により処罰される可能性のある点についてみましたが、民事訴訟を起こし、損害賠償を請求できる場合もあります。
例えば会社は従業員が仕事をしやすいように職場環境を整える義務があります(職場環境配慮義務)しかしそれがパワハラによって脅かされた場合、職場環境配慮義務違反(民法第415条)を訴えることが可能です。

また、使用者責任(民法第715条)違反もあります。

使用者責任とは、ある事業を行う際に使用者(人を使用する者、雇う側、会社)が被用者(従業員、雇われる側、パワハラ加害者)がその事業を執行する際に第三者(パワハラ被害者)に損害(心身のダメージ等)を加えた場合、使用者に損害賠償をしなければならない責任が生じるということです。
加害者をきちんと監督できておらず、パワハラ被害を出した時の責任は雇う側である会社にあるという考えですね。

まとめ

パワハラは悪しき行為です。
加害者は「部下を叱咤激励しただけ」「指導の一環」などと言い訳し、正当化しようとすることが常ですが、人格を否定する暴言を吐いたり暴力を振るうことは激励や指導とはとても言えるものではありません。

しかしながら、個人だけで法律違反を立証したり訴訟を起こすのは難しいです。
専門家の相談などを受けるのも良いでしょう。
専門家や法律を味方につけてパワハラに立ち向かいましょう。

参考URL

「使用者責任の意味について」(ウィキペディア)

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